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コラム

キャリア開発支援の心理学:日本マンパワーの先進事例から考える(セミナーレポート)

コラムセミナー・研修

従業員のキャリア自律の効果的な支援には、従業員の現状把握が必要です。従業員を対象に実施するアンケート調査「組織サーベイ」はその有益な方法の1つであり、回答を統計的に分析することで、企業は従業員のキャリア意識に関する実態を把握できます。本稿では、株式会社ビジネスリサーチラボ 伊達洋駆より、キャリアサーベイの魅力や注意点を、株式会社日本マンパワー 水野みち様より、キャリアサーベイに基づいてキャリア開発を実行した先進事例をご紹介いただきます。

※本コラムは、20228月に開催した「キャリア開発支援の心理学:日本マンパワーの先進事例から考える」の内容をもとに編集・再構成しています。

登壇者

水野みち 株式会社日本マンパワー フェロー
国際基督教大学卒業。1999年よりキャリアコンサルタント・ キャリアカウンセラー養成事業に従事。2005年ペンシルバニア 州立大学にて教育学修士(カウンセラー教育)取得。現在では年間 40社以上の企業内のキャリア開発、組織開発、D&Iにも携わる。国家資格キャリアコンサルタント、組織開発ファシリテーター、 NPO日本キャリア開発協会認定スーパーバイザー・CDAインス トラクター。


伊達洋駆 株式会社ビジネスリサーチラボ 代表取締役
神戸大学大学院経営学研究科 博士前期課程修了。修士(経営学)。2009年にLLPビジネスリサーチラボ、2011年に株式会社ビジネスリサーチラボを創業。以降、組織・人事領域を中心に、民間企業を対象にした調査・コンサルティング事業を展開。研究知と実践知の両方を活用した「アカデミックリサーチ」をコンセプトに、組織サーベイや人事データ分析のサービスを提供している。近著に『現場でよくある課題への処方箋 人と組織の行動科学』(すばる舎)や『越境学習入門 組織を強くする「冒険人材」の育て方』(共著;日本能率協会マネジメントセンター)など。


キャリア意識の醸成が求められている実態

伊達:

私からは「キャリア意識の醸成について」と「キャリアサーベイの重要性」の2点についてお話し致します。

1点目の「キャリア意識の醸成について」ですが、日本でも「キャリア自律」という言葉が普及し、特に人事担当者の間で用いられています。2014年に公表されたアンケート調査では、およそ企業の8割以上が若手社員に対してキャリア自律を求めているという結果もあります。

しかし、国際比較によると、日本以外の国では「キャリアは自分で決める」というキャリア自律の意識が醸成されていたのに対し、日本では「キャリアは状況に応じて決まる」「企業側の様々な意向があって決まっていく」という考え方を持っている人が多い傾向がありました。

つまり、自律的なキャリアを求める人事側と、自律的なキャリア意識がまだ十分に醸成されていない現状に、ギャップが存在しています。このような背景から、「自律的なキャリア意識の醸成をどう進めていけばよいか」という課題を挙げる企業が増えています。

専門的には、自律的なキャリアへの意識は「キャリア・アダプタビリティ」と呼ばれ、「変化する仕事や労働条件に対処するための準備」と定義されています。時間とともに仕事や労働条件が変わるなか、きちんと対処していく準備が整っているか。「自律的にキャリアを切り開いていくための、準備が整っているかどうか」という概念です。

キャリア・アダプタビリティを構成する要素として、「4つのC」を紹介します。1つ目は「関心(Concern)」で、自分のキャリアに関心をもち、将来に対して準備を行うこと。2つ目は「統制(Control)」で、自分の決定をきちんと管理し、自分で決めていること。3つ目は「好奇心(Curiosity)」で、新しい状況や機会に対して、情報を探求していること。4つ目は「自信(Confidence)」で、課題解決や問題をうまく克服できるという、自身の能力に対して自信を持っていることを指します。

4つのC」を整えることで、キャリア・アダプタビリティが高まります。さらには、キャリア・アダプタビリティが高いほど、仕事のパフォーマンスが高いことを示す研究結果も報告されています。

とはいえ、キャリア・アダプタビリティなどといった「キャリアの意識」は、目に見えない個人の心理です。本人に尋ねてみないことには、どれほど醸成されているのかが分からないものです。そこで効果的なのが組織サーベイです。

キャリアサーベイがなぜ重要なのか

組織サーベイとは、いわゆるアンケート調査です。従業員に対して質問と選択肢を投げて回答を求め、回答データを分析する。この一連の流れが組織サーベイです。今回は特に、従業員のキャリア意識を明らかにする事を目的に、質問内容にキャリア意識の測定を含んでいるものを、「キャリアサーベイ」と呼称します。

キャリアサーベイの基本的なコンセプトは、「キャリア意識と、キャリア意識を促す要因をアンケートで検証し、キャリア開発支援に結び付ける」ことです。ここで重要なのは、キャリア意識の現状を把握することに加え、キャリア意識を促す要因も併せて明らかにすることです。

キャリア意識を促す要因が分かれば、要因を高めるための対策が打てます。どういう要因に働き掛けていけばいいのかを考えることが、サーベイにおいて非常に重要なのです。

例えば、「キャリア・アダプタビリティを高めていきたい時に、どのような要因があるのか」を、先行研究から確認したとします。先行研究では、意思決定に参加できたり、上司からサポートが得られていたりすると、キャリア・アダプタビリティが高まる傾向があることが分かっています。

実際にこの内容に基づいてキャリアサーベイを実施し、分析結果からも、意思決定への参加と上司からのサポートが重要だと分かったとします。そうなると、意思決定への参加を促すための働きかけを増やす、あるいは、上司からのサポートが得られるように、マネジャーに対してフィードバックを行うのが必要だと気づけます。これが、要因が分かると対策が打てる、ということです。

組織開発を進める際、組織サーベイを実施して現状を把握した上で、組織の活性化を行うのは、一般的なやり方のひとつです。同様に、「キャリア開発支援を行う際、まずはキャリアサーベイを行うことが重要」というのが、本日のメッセージのひとつです。

逆に、現状や課題を踏まえていない状態でキャリア開発支援を行うと、うまくいかない恐れがあります。ニーズに合わない研修やキャリア開発支援をすると、逆にキャリア自律を阻害すると指摘する研究もあるのです。

以上、私からは、「キャリア意識の醸成が大切である」「キャリアサーベイの実施が望ましい」という2点について、学術的な知見からご説明しました。水野さんからは、キャリアサーベイをキャリア開発支援につなげた、具体的な事例をお話しいただきます。

キャリア開発支援にサーベイが活きる背景

水野:

キャリアサーベイをやってみたいというお客さまからいただく課題として、以下のようなものがあります。

  • 最近、若手社員の離職が増えている
  • ミドル層やマネジャーのモチベーション低下が顕著になっている
  • 組織の活性化の一環でD&I (ダイバーシティ&インクルージョン)の導入を進めていきたいが、うまくいかない

他にも「人事制度を改革した前後で、社員にどのような変化があるかを知りたい」などのご要望もあります。

人生100年時代において、個人と組織のキャリアの捉え方が、これまでとは変化しています。個人側は、主体的にオーナーシップを持ち、対等な関係で組織と成長のベクトルをすり合わせながら、生産性の向上に向けて関わっていく。企業側は、従業員にやらせる・レールを敷いて歩ませるのではなく、個人がどうしていきたいか、その擦り合わせを行う。このような機能が、組織に求められています。

企業にとっては、個人の実態をしっかり把握することが、先ほどの擦り合わせにおいても重要であり、サーベイがその手法のひとつです。個人と組織がwin-winの関係になり、協働できる部分を増やしていくためには、組織が個人の実態をしっかりと把握する必要があります。

サーベイの実効力を高める3つのポイント

サーベイの実効力を高める3つのポイントをご紹介します。まずは、「目標と現状」です。マネジメントの原則にあるように、目標と現状がどうなっているかを管理するため、現状を理解するためにサーベイを用います。その際、闇雲にサーベイを行うのではなく、「今の状態をこう変えていきたい」というものがあった方が、サーベイを効果的に活用できます。

サーベイで何を「見える化」するのか、その候補がたくさんあるからです。キャリアに関する心理学領域の中で、調査に使える要素は沢山あります。そのため、企業ごとに異なる「何が知りたいか」を押さえる必要があります。

次は、「サーベイのデザイン」です。「知りたい何か」を実際に知るためのデザインも、実に様々です。単純に集計を取るだけでは見えない実態を示す分析の手法もあります。伊達さんをはじめ、専門家のメンバーが適切な分析を実施できるためにも「サーベイのデザインをどうしていくのか」が重要です。

例えば、他社と比較できる自社の良さを、分析で示したいと思ったとき、どのような特徴を見て、どのような仮説があり、その検証にどのような項目を用いれば良いでしょうか。さらに、どのような分析方法が適切でしょうか。

この点について、私はアカデミックな知見が活きると考えます。アカデミックな調査や分析の手法は多くの種類があるため、何を見たいかということさえはっきりして、仮説が立っていれば、それらの知見を活かして調べることができます。

また、対策の打ち手が見つかるデザインにすることも重要です。「見えたけれども、それで?」という結果は、意外と多くあるものです。せっかくサーベイを実施しても、「他社と比較してあなたの会社はこうですよ」という報告に留まり、打ち手が見つからないことがあります。

もしくは、自分たちが本当に見たい打ち手よりも、教育会社が勧めたい打ち手を見るデザインになっていては、非常にもったいないと言えます。そのため、私たちは、本当にお客さまに合った、その企業が何を目標とするのかを見極めたデザインを勧めています。

最後のポイントは、「結果の生かし方」です。立教大学の中原淳先生がご指摘されるように、サーベイは「やって終わり」ではなく、その後の「分析と対話」のフェーズ、特に「対話」が重要です。結果から見えた、構造・影響・人の気持ちなどについて、関係者で話し合って頂きたいのです。話し合いを通した更なる発見や、各々の気付きを発端にした変化が生まれます。

もちろん、具体的な施策をすぐに展開することもできます。しかし、例えば、得られた結果を見て話し合ったマネジャーには、まず変化が起こります。そして、もう一度同じ内容のサーベイを実施し、変化を見ることもお勧めです。

事例1:仮説と異なる実態がサーベイによって判明

ここからは、事例を三つご紹介いたします。まず1つ目は、D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)を通して組織活性化をしたい、という企業の事例です。この企業では「異なる意見や考え方をお互いに受け入れて、よりよく機能する多様性を社内に根付かせていきたい」という方針がありました。

まず、コンサルテーションを通して詳しく項目を挙げていきました。どうなれば実現できたとするかについても検討しました。

  • キャリアへの関心が高まっている
  • キャリアへの見通しを持てている
  • 属性で分けて考えずに、平等に仕事を割り振っている など

これらは、「属性的なダイバーシティ意識」です。これらが表層的なものだとすると、深層的なダイバーシティも検討する必要があります。

  • 自発的に仕事を改善していこうとする
  • 重要な役割を担っていきたいと思っている意欲が高い
  • 周りの人が困っていたらサポートしようという意欲がある など

このように、大まかな理想だったものが、サーベイの設計プロセスを通じて具体化されます。これらを成果指標としたときに、何が影響を及ぼしているかを知ることが、サーベイの全容でした。

興味深い結果を紹介します。この企業は本来、ジェンダーバイアスの是正に取り組もうと考えていました。しかし、サーベイの結果、成果指標に対して、ジェンダーバイアスは影響していないことが分かりました。

この企業では、「仕事は仕事」という意識で割り切っていて、男女関係なく接している社員が多かったのです。だからといって、ジェンダーバイアスの是正に取り組まなくていい、というわけではありませんが、今回のケースで進めた方向性をご説明します。

成果指標に一番影響を与えていたのは、「私にはこの会社でさらに責任ある仕事担うチャンスがあると思う」という職責拡大可能性でした。「自分は昇格できない」と思ったら、他の人をサポートしなくなったり、自分で頑張ろうと思えなくなったりして、ぶら下がり思考が強くなることが分かりました。

これに対して、どのような対策が考えられるのでしょうか。例えば、キャリア開発に取り組む機会を増やす、内省の機会を増やす、柔軟な人事制度を策定するなどの方法が考えられます。

特徴的なものとして、よりクリアな昇進・昇格の仕組みを作りました。例えば、「妊娠・出産・育児休暇がブランクになり、何らかの影響を及ぼしている気がする」と感じる人がいます。このような人たちにとって、「クリアな昇進・昇格の仕組みがあること」は、「責任ある仕事を担うチャンスがあると思えること」に大きな影響を及ぼします。

事例2:デザインの工夫が意外な打ち手に帰結

次の事例は、「組織の統廃合があり、今、社員はどういう状態になっているのかを知りたい」という企業の要望に応えたものです。

サーベイの結果として、「経営理念に賛同している社員」はパフォーマンスが高いことが分かりました。「この仕事がすごく好きでやりたい」と思えるため、会社にコミットしやすいからです。

経営姿勢が「見えている」人ほど、経営理念への賛同意識は高いことも分かりました。このことから、経営姿勢を「見える化」することが大切であり、それを、マネジャー層と経営者のコミュニケーションを通じて行っていくことが必要だと分かりました。

また、会社への愛着が高い人ほどキャリア展望も持てていたことから、ソリューションとして、上位職の組織開発的な取り組みとして、ミッション・ビジョンの語りを社内で繰り返し行っていくことになりました。

さらに、組織が一枚岩になるために、役員同士の対話の会を設けました。「ミッション・ビジョンを語る場を設けていく」という取り組みの方が、キャリア開発の研修をするより効果的であり、この取り組みをすることで、ひいてはキャリア開発にもつながっていくという考えからです。

先ほど伊達さんがおっしゃった「キャリア開発を推進していく取り組みが、必ずしもキャリア開発の研修にならないかもしれない」という事例です。

「耳が痛い」サーベイ結果を支援の現場にどう活かすか

伊達:

水野さん、ありがとうございました。水野さんが紹介された事例は、「自社のサービスに落とし込むような設計をしていないこと」が特徴です。結果に基づいて、どういった施策を打てばいいかを、本質に立ち返って考えた事例ですね。

1つご質問したいと思います。 ビジネスリサーチラボは、色々なテーマでサーベイを実施し、その結果を活かすための施策として、キャリア開発支援があるという立場です。逆に、水野さんは、キャリア開発支援を普段提供されている立場から、サーベイを共同で実施する流れかと思います。

その視点から、サーベイを実際にやってみてよかった点、逆に難しさであったり、現在、サーベイを巡って悩んでいたりすることをお聞かせください。

水野:

人事担当者と一緒に実施した例で、サーベイをうまく生かし切れなかったことがあります。例えば、打ち手は見つかったもののスパンが長く、社内でうまく理解してもらえなかった、という場合です。

また、「この結果をマネジャーの皆さんと共有して、対話の場を設けてください」と申し上げても、人事の方々が躊躇された例もあります。サーベイの結果には、マネジャーにとっては耳が痛いことも含まれているからです。

伊達:

確かに、サーベイで映し出されてくる現実は、時に残酷なケースもあります。残酷というのは、悲惨な現実が明らかになるというだけではありません。サーベイの設計に関わった人事担当者や経営層が信じていたことが、棄却されてしまうこともあるのです。

サーベイの設計は、労力、意図、思考力を使って、本気で行います。そのため、自分たちの信じていたものと異なる結果が出たときのショックは大きなものです。もちろん、人事担当者や経営層だけではなく、マネジャーにも同様で、人はやはり自分の見たいものを中心に見てしまいます。自分の見たかった現実ではない結果を、どのように社内に伝えていくのかを考えていく必要がありますね。

Q&A

Q1. ミッション・ビジョン語りは、誰が主導するのか

水野:

事例の企業の場合、人事が主導していました。人事が役員にインタビューし、それを記事にして社員に配ったり、ミッション・ビジョンを語る場を設けたりする形を取りました。

一方で、企業の規模、人事と社員との距離感に応じて、外部の私たちのような人間が、ファシリテートした方がよい場合もあります。ミッション・ビジョンを共に作る、自分たちの行動と照らし合わせて語るといった取り組みを、組織開発の一環として提供することもあります。

伊達:

様々な打ち手がある中で、共通して重要なのは「社員の巻き込み」です。経営層だけ、人事だけが張り切ってしまっても、ビジョン・ミッションの浸透はうまくいきません。浸透すべき従業員の方々を、うまく巻き込みながら進めていくことが重要です。

Q2. キャリア開発は仕事の成果が出るのか。因果関係を客観的に明確に示すことが難しい。

伊達:

この質問を言い換えると、「キャリア開発を促すために、経営側への有効なアプローチ方法や、納得感を促すための参考になるデータなどがあれば教えてください」ということかと思います。水野さんは、経営層にキャリア開発支援の有効性を伝えるために、どうされていますか。

水野:

仕事の成果に影響を及ぼす要因は多くあるため、「キャリア開発や意識が高まったから、成果が上がった」と、端的に因果関係を示すのはなかなか難しいものです。仕事の成果だけではなく、モチベーションや仕事への意義など、仕事の成果につながる要因を因数分解して、キャリア開発との関係を見ていくことが、妥当なやり方です。

伊達:

そうですね。組織サーベイでは「成果指標」というものを測定します。これは、「各社で想定した、目指すべき人や組織の状態」を意味します。成果指標の定義をする際に、経営層を巻き込んでいくことがポイントです。

また、一口に成果といっても幅が広く、キャリア開発支援により、高めることができるものと、できないものもあります。両者をきちんと整理していくだけでも、状況は大きく変わるでしょう。

Q3. 事例1「ダイバーシティとキャリアに関するサーベイ」について。ジェンダーバイアスがありそうだという仮説は、どのように立てられたのか。

伊達:

ひとつには、担当者がジェンダーバイアスにこだわりがあり、その是正が大事だという信念を持っていた点が挙げられます。そのため、サーベイの結果は担当者にとっては驚きのものでした。

もうひとつは、成果指標として様々なものを測定したため、学術的な観点から「バイアスによって抑制されたり促進されたりするもの」が含まれていました。要するに、バイアスが影響を及ぼし得る成果指標も含まれていたため、仮説として立てました。

水野:

私も印象的だったのが、サーベイの結果を見た伊達さんが「このままD&Iを進めてしまうと、逆にハレーションが起きるのではないか」と考察したことです。

職責拡大可能性、「私たちはこの仕事、ここの会社で更に責任のある仕事に就ける」ということに対して、そもそも男女関係なく閉塞感を感じている社員が多い中で、D&Iを進めてしまうは危険なのでは、ということです。D&I自体は良い効果をもたらすものの、「女性だから昇格できたのだ」などとフェア感が持てない可能性がありました。

そこで、その企業には、まずは、男女の差異や年齢に関係なく幅広いキャリア支援をした上でD&Iを進めていった方が、D&Iをより効果的に進められるはずであると伝えました。実際、経営層の役員や経営者も「納得感がある」とおっしゃっていました。

伊達:

意図せぬ結果が出た時、それをどう考察するかという点は大事ですよね。内心ではバイアスを持っているが、行動としては男女関係なく接することができていたわけです。そのような状態の中で、ジェンダーバイアスにいきなり介入すると寝た子が起きてしまう恐れがあります。

また、ダイバーシティについては、無理に推進しようとするほど反発が起きることが、歴史的に何度も繰り返されているため、そういった事例もお伝えしました。

終わりに

伊達:

本日はキャリアサーベイというテーマでお話しさせて頂きました。組織サーベイを通じてキャリア開発支援を行う場合、定量的な分析ができるというメリット以外にも、設計作業を通じて仮説を立てていくこと自体が、振り返りになります。「うちの組織はどういう組織か」「目指していく方向性はどういうものか」といったことを深く考える機会になります。これも、キャリアサーベイを通じたキャリア開発支援の特徴の一つです。

それでは以上となります。ありがとうございました。

水野:

ありがとうございました。

 

(了)

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