ビジネスリサーチラボ

open
読み込み中

コラム

ビジネスリサーチラボの経営理念と行動規範

コラム

本ページでは、ビジネスリサーチラボの「経営理念」と「行動規範」を紹介しています。ビジネスリサーチラボで大切にしている価値観やふるまいを挙げています。

経営理念と行動規範は、ビジネスリサーチラボの社内マネジメントや働き方だけではなく、社外とのやりとりにおいても一貫させるものです。それらを通底させることで、ビジネスリサーチラボは専門家集団として規律を持って価値を提供できます。

経営理念

ビジネスリサーチラボは、その組織規模に比べて、幅広い利害関係者が存在する点が特徴的です。例えば、顧客。企業や担当者が含まれます。次に、社員。弊社に勤務している人がいます。さらに、産業界(主に人事領域)学術界(主に社会科学分野)も利害関係者として挙げられます。

ビジネスリサーチラボは、こうした利害関係者と接点を持ちながら事業を進めています。それぞれの利害関係者に対して、ビジネスリサーチラボが提供したい価値や実現したい状態を明確にし、それを経営理念として定めています。

経営理念に対して二つの機能を持たせたいと考えています。一つは、経営理念を社内外に示すことで、自分たちの方向性を明確にすることです。もう一つは、社内で判断に迷ったり、重要な意思決定を行ったりする際に参照することです。

ビジネスリサーチラボの経営理念として、具体的には、以下の6つの項目を挙げています。詳細は後述しますが、まずは一覧でお見せします。

1.顧客がより良い状態になるよう尽力する(対顧客、特に企業向け)
2.顧客のキャリア形成に貢献する(対顧客、特に担当者向け)
3.研究人材の新たなキャリアを提示する(対社員)
4.人事領域の研究・分析の知識向上を図る(対産業界、特に人事領域)
5.臨床経営学の一つの実践型を示す(対学術界)
6.既存の研究知見を更新する(対学術界)

これらの項目にはそれぞれ意図や思いがあります。以下で、一つ一つ説明します。

1.顧客がより良い状態になるよう尽力する

ビジネスリサーチラボが提供するサービスは色々ありますが、共通しているのは顧客がより良い状態になることを目指して支援している点です。

ただし、「良い状態を目指す」と言っても、「良さ」が一概に決まっているわけではありません。良さには正解がないため、「この場面では、何が良いことなのか」と、顧客やプロジェクトごとに、良さを見極めていかなければなりません。

また、良さというのは複雑であり、全ての人にとって良い状態は実現困難です。ある部分を改善しようとすると、不利益を被る人が出てくるかもしれません。こうした現実から目を背けず、倫理と責任を持って介入することが求められます。

2.顧客のキャリア形成に貢献する

ビジネスリサーチラボの顧客の担当者は意思やビジョンを持っています。単に依頼するだけでなく、真剣に人事や会社の問題を考え、解決策を見つけようとしています。

このような担当者に対し、ビジネスリサーチラボとのプロジェクトを通じて、顧客担当者のキャリアがより良い状態になることを目指します。

例えば、データ分析のプロジェクトでは、優れた事例を作ることが担当者にとって実績になります。また、担当者とビジネスリサーチラボが共同で成果を報告することも一つの方法です。担当者のキャリアに有益であり、情報を受け取った人事やHR事業者にもプラスになります。

3.研究人材の新たなキャリアを提示する

ビジネスリサーチラボは、研究に精通した人材を採用しています。こうした研究人材に対して、大学以外の働く選択肢を提案したいと考えています。

研究知見のレビューやデータ分析が可能な、研究を続けながら働くことができる環境を提供するということです。研究に触れ、思考し、議論し続けたい研究人材が楽しく働ける環境を作り、研究人材の新たなキャリアパスを示します。

4.人事領域の研究・分析の知識向上を図る

現状、人事領域において研究知見が十分に普及しているとは言えません。適切に活用された研究知見は有益なものです。ビジネスリサーチラボは人事領域の中で研究知見を広める役割を担います。同様に、データ分析の基本知識を広めることも目指します。

知識の伝達方法としては、実際のプロジェクトを通じて伝える方法が一つ目です。二つ目は、セミナーやコラム、書籍や取材など、さまざまなメディアを通じて広める方法です。これらの取り組みにより、産業界における研究とデータ分析の知識を底上げしていきます。

5.臨床経営学の一つの実践型を示す

ビジネスリサーチラボは改善を志向し、研究知見やデータ分析を活用して、人や組織に対して働きかけています。このような取り組みを「臨床経営学」と呼んでおり、ビジネスリサーチラボの活動は臨床経営学の一種です。

臨床経営学は、研究者が取り組む研究スタイルの一つです。ビジネスリサーチラボは臨床経営学を実践する一事例であり、学術界に対して臨床経営学が理念にとどまらないことを示します。

6.既存の研究知見を更新する

ビジネスリサーチラボは臨床経営学という独自の実践を展開しているがゆえに、新たな発見をすることもあります。業務を通じて得た発見を、社内のノウハウにするだけではなく、学術的に還元します。

具体的には、学会発表や学術論文、書籍などを通じて、新しい知識を生産します。既存の知識を更新し、意義のある形で発表することを目指しています。

行動規範

続いて、行動規範について説明します。ここにおける行動規範は、仕事における指針であり、日常業務を進める上で意識してほしい点です。

行動規範を定める意義は、主に3つあります。1つ目は、専門家の集団として一貫性を持って行動できることです。2つ目は、行動規範を共有することで、社内のやり取りが効率化することです。3つ目は、行動規範を守ることで、顧客からの信頼を獲得できることです。

ビジネスリサーチラボの行動規範は、「顧客対応と解決策」「成長とチームワーク」「コミュニケーションと環境整備」という3つの領域に分かれています。以下、それぞれの行動規範について簡単に説明します。

顧客対応と解決策

①顧客の置かれた現実を想像する

業務において学術研究の知見を適用することは重要です。しかし、それを顧客に押し付けることは避けるべきです。厳格な基準や適正な手続きに固執せず、顧客の現実を理解した上で対応します。

②知識を総動員して課題を解決する

仕事をしていると様々な課題に直面します。その際には幅広い知識を用いて解決策を見つけます。学術研究だけでなく、これまでの経験や他の人の知恵、ビジネス書、ウェブメディア、法律や政策など、様々な情報源を駆使して課題解決を狙います。偏った知識で判断しないようにすることが大切です。

③仮説を立てて行動し、更新する

仕事を進める上で、うまくいくであろう仮説を立て、それに基づいて行動します。仮説が間違っていても問題ありません。重要なのは、仮説を修正し、更新し続けることです。

④最低限の品質を素早く達成する

仕事を進める際、最低限クリアすべき品質に早めに到達します。完璧主義に陥らず、まずは全体の最低限の品質を確保し、その後、時間に余裕があれば品質を高めていきます。この進め方をとることで、最後に焦ることがなくなります。

成長とチームワーク

⑤新たな学びを貪欲に求める

仕事の中で学び続けましょう。自分にはまだ伸びしろがあると信じ、研究知見やデータ分析など、様々な分野で学びを広げます。学びに対して貪欲になると同時に妥協せず、意識的にインプットを続けます。

⑥仕事を改善する手を休めない

同じような仕事を行う場合、前回よりも今回、今回よりも次回と改善を積み重ねます。そのためには、良かった点や課題を振り返り、前者はより洗練して維持し、後者は解決を図ることが重要です。

⑦自らの役割を再定義し続ける

会社の状況は常に変化します。環境やメンバーによっても変わります。いま自分に何が求められているのか、どのような貢献ができるのかを考え、役割を定期的に見直すようにします。

⑧助けを求め、助けを提供する

困ったときには遠慮なく助けを求め、他の人が困っているときには積極的に支援しましょう。支援をする際には見返りを求めず、そのための時間を使っても無駄ではないと考え、行動に移します。

コミュニケーションと環境整備

⑨敬意を払い、配慮をする

ビジネスリサーチラボは少数精鋭で運営しており、社員それぞれがプロフェッショナルです。お互いに敬意を払い、ネガティブな感情を抱かせないように配慮します。相手の個性を観察し、最大限の配慮を心がけます。

⑩他者の長所に目を向ける

人は場合によっては他者の「できない点」が目につきがちです。しかし、ビジネスリサーチラボではポジティブ・フィードバックを重視しています。お互いの貢献を認め、頼りにします。

⑪集中できる仕事環境を整える

効率的に取り組める環境を整備します。デスク周りの環境だけでなく、チャットや共有フォルダの整理なども含まれます。また、周囲の人の集中を乱さないように注意しましょう。オフィスで働く場合も、リモートで働く場合も、この点を意識します。

 

執筆者

伊達洋駆:株式会社ビジネスリサーチラボ 代表取締役
神戸大学大学院経営学研究科 博士前期課程修了。修士(経営学)。2009年にLLPビジネスリサーチラボ、2011年に株式会社ビジネスリサーチラボを創業。以降、組織・人事領域を中心に、民間企業を対象にした調査・コンサルティング事業を展開。研究知と実践知の両方を活用した「アカデミックリサーチ」をコンセプトに、組織サーベイや人事データ分析のサービスを提供している。近著に『現場でよくある課題への処方箋 人と組織の行動科学』(すばる舎)や『越境学習入門 組織を強くする「冒険人材」の育て方』(共著;日本能率協会マネジメントセンター)など。

社内研修(統計分析・組織サーベイ等)
の相談も受け付けています