Q&A公開|WASEDA NEO主催「人と組織のマネジメントバイアス:キャリア開発の科学」

2020年10月1日(木)16:30-18:00に開催された、WASEDA NEO主催セミナー「人と組織のマネジメントバイアス:キャリア開発の科学」において、株式会社ビジネスリサーチラボ 代表取締役の伊達洋駆が登壇しました。


当日は伊達の講演に続き、3人1組でのディスカッションを経て、質疑応答の時間をとりました。回答しきれなかった質問を含め、以下、登壇者の伊達から回答させていただきます。



(1)キャリア自律支援が離職抑制につながる人とそうでない人(離職促進につながる人)の差は大きいように感じます。属性や特徴の違いに関する研究はございますでしょうか?


同じキャリア自律支援でも、会社から支援してもらった感覚を持つ人もいれば、そうではない人もいます。会社から支援を受けている感覚が会社への愛着を促すという研究知見を考慮すると、前者の方が離職の抑制にはつながりやすいと思われます。

(2)「社外」のキャリアの情報を提供するような、キャリア自律支援策は、離職率の低下という意味では効果がないとお考えですか?


社外のキャリア情報の提示自体が、従業員にとって様々なシグナルになります。例えば「自分のことを真剣に考えてくれている」と思う可能性もあれば、「離職を促されている」と思う可能性もあります。その意味で、社外情報の伝達が離職にどう影響するかは、そのことをどう解釈するかと関連しているでしょう。

(3)目標設定が重要であるということは確かだと思いますが、個々人それぞれで異なることは大事ですが組織というマスを相手としたときの最適解等はありますでしょうか?


教育研修などの形で、目標を設定する時間や方法を提供することは、全社的に実施できるのではないでしょうか。また、弊社の組織サーベイでは、「上司からのキャリア支援」が部下のキャリア意識に影響を及ぼすという結果をよく目にします。その意味では、上司のキャリア支援のマインドやスキルを高めることも全社的に重要です。

(4)4つのCで、全部低い人は、どのように支援すると良いでしょうか?


4つのCがすべて低い原因を考えてみることをおすすめします。4つのCが低い状態でいることが合理的な環境に身を置いていたのかもしれません(会社からの指示に柔軟・即座に対応できるように備えていた、など)。本人への働きかけも大事ですが、現在の本人を作り出した環境に目をやることも大事です。

(5)一番難しいと考えるのは、様々なキャリアパスを企業側で準備することかと思います。ビジネスニーズや人件費を考慮しつつ効果的に提示するコツはありますか?


最初から体系的なものを準備するのは大変です。まずは、様々なキャリアを体現する従業員を社内で可視化することから始めると良いでしょう(イントラで定期的に紹介する、など)。そのような従業員の姿は、他の従業員にとって部分的なロールモデルになり得ます。

(6)キャリアの自律=自由になんでも叶うという認識ととらえらえる可能性がありますが、異動打診においてはキャリア上プラスになる意味づけをお伝えすればよいのでしょうか?


本人のキャリア上のニーズを知り、そのニーズを踏まえて異動の意味付けをするのが有効です。ニーズが不明瞭な場合は、事前にそれを言語化するための支援を行いましょう。本人のニーズと異動先で提供されるものが適合していれば、キャリア上のプラスになると説明しやすくなります。

(7)目標設定はどうすると本人と企業双方にはまるものになるのでしょう?


本人と上司が継続的にすり合わせしながら目標を設定することが求められます。その際、上司は部下のニーズを尊重した上で、会社の視点を考慮することの意義について説明しましょう(個人のニーズが会社の視点と合っている場合、より多くの機会が得られる、など)。

(8)実情でいうと、キャリアパス=異動のような印象を社員が持っているので、キャリア=異動そのものではないというレベルまで最低限認識してもらえるよう、キャリアについての正しい情報を社内へ提供しなければならないと感じました。


確かに、異動はキャリアを構成する要素ではありますが、キャリアそのものではありません。キャリアとは何か。キャリアを充実させていくために、従業員にとってはどのような手があるのか。この辺りを研修等の機会を利用して伝えていくと良さそうです。


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